コスプレのストロボのライティングの基本的なコツについてまとめてみました。
ストロボライティングのコツはまずはストロボの使い方を理解しておくこと。
単純にストロボのコツといっても練習もしないで簡単に完璧にできることはないですからね。
自分が望むライティングができるようにするにはある程度特性を理解しないとどこに置くべきかどのように発光させるべきかわからないですからね。
この記事を読んでもらえればストロボライティングの基本がわかってもらえるかなと思います。
ストロボライティング準備
まずはストロボライティングをするために必要な準備についてお話します。
カメラの設定の基本を学ぶ
ストロボを発光させる前にカメラの設定を調整してストロボを発光させるために適切な状態にすることが必要です。
特にストロボを使用する場合はF値とISO値についての理解が必要になってきます。自分のカメラの設定を自由に変えられるように練習をしましょう。
また光は距離によって被写体への当たり方、影のでき方が異なってくるのでストロボ調整も自由にできるようにしておきましょう。
→無料でコスプレ撮影の練習や勉強する方法について
初心者向けストロボ
ストロボを使用するのにまずはストロボが必要になります。
カメラメーカー純正のストロボなんて高いだけなのでコスプレ撮影には無用です。
アマゾンで購入できる中国製のストロボで十分です。
理由はこちらの記事を読んで見てください。
→純正ストロボは高い!メーカー用のフラッシュを購入するメリットってあるの?
中国製のストロボでも数千円から数万円まで性能に応じて多数存在します。
しかしそんなに高価なストロボは必須ではありません。
スタジオなどの外光のあまりないところでは高価なストロボを使用しなくてもそれなりに撮影ができます。
自分の撮影でも場合によっては8000円のストロボ2台で撮影ができてしまうことがあるくらい。
もちろんAD200とかの強めの光が出せるストロボもあった方がいいけど最初はTT600くらいを2,3台購入したほうがいろいろ遊べますね。
→コスプレ撮影におすすめなGodoxのストロボは?
オフストロボライティングをする
コスプレの撮影でストロボはカメラにつけるものではなくいろんな場所において複数台を同時に発光させるものということがほとんどです。
ストロボをカメラに直接取り付けずに遠隔で発光させるために必要なストロボに合わせてトリガーを購入しておきましょう。
カメラにストロボを付けたまま発光させるといかにもストロボを炊きましたみたいな写真になってしまいますよね。
ストロボはできるだけ弱く自然に見えるように使えるようにしましょう。
→ストロボをカメラから離して使うオフストロボライティングをするために必要な初心者向けの機材とおすすめ
光を柔らかくする
ストロボの光ってそのまま被写体にむけて発光する場合は影が強くでてしまったりいかにもストロボをつけましたって感じになってしまうことがあります。
それが撮影イメージと合うのであれば問題ないのですが可愛い女の子のコスプレを撮影するのに光の当たっていないところが黒くなっていたりすると雰囲気が合わないですよね。
そこでストロボの光を拡散することで影の境をなだらかにする必要がでてくることもあります。
こんなときに使うのがアンブレラとソフトボックス。
アンブレラやソフトボックスにはその大きさや形がさまざまあり最初はどれを購入したらいいか迷うと思います。
自分としては最初は安いアンブレラを購入するのがいいのかなと思います。
なにより安くてそれなりに光を柔らかくできますからね。
アンブレラは倒れるとすぐ骨が折れちゃうし汚れも目立ってくるので使い捨て感覚で使用します。
自分の普段使っている透過アンブレラは3本で2000円程度のものです。
→ソフトボックスとアンブレラの違いとは?用途と使い方を教えます
アンブレラやソフトボックスを使う場合、光源は被写体に対してできるだけ近くに置くほうが光が柔らかくなります。
その原理については下記のの記事で説明してます。
→コスプレ撮影で柔らかい光と硬い光とは?
なぜストロボを使うのかを考える?
ストロボは足らない光を補足する、自分の思い通りの光を再現したい。
そんな理由から使用します。
だからストロボがあるから使うのではなく、撮影環境にストロボが必要だから使うようにしましょう。
ちなみにストロボではなく自然光で撮影した方が盛れることも多いし自然な写真が撮影できることが多いです。
自然光の入る白い壁の部屋ならほんとストロボを使わなくても自然でいい写真が撮れます。
ここではどのような場合にストロボを使うべきかを考えてみたいとおもいます。
環境光の色がおかしい
電気が蛍光灯だったり壁に色がついたりしてると被写体に変な色がついてしまうことがあるのでこれを防ぐために使うことがあります。
上の写真のように電気が水銀灯だったりすると写真は思いっきり緑になってしまいます。
こんなときは写真が電気の影響を受けないようカメラを暗く設定した上でストロボの光のみで撮影します。
逆光で被写体が暗くなる
夕日やイルミネーションをバックに撮影しようとすると背景が明るく被写体の顔が暗くなってしまうことがありますよね。
そんなときに被写体に対して明るくするためにストロボを使用します。
背景より被写体を明るくしたい場合にもストロボは使用します。
屋外でのストロボライティング
天気が晴れではない場合光が均等にあたってしまい晴れ感がでないことがあります。
写真は空が写っていなければ意外と曇でも晴のように撮影することご可能なんですよね。
晴れの日は逆光で撮影するため被写体の後ろ側に光が強くあたります。
その光をストロボで再現してみたりするわけです。
ストロボ撮影の設定のコツ
ではストロボを使う必要があると判断したらどのようにストロボを調整していくかを説明していきます。
基本的にはどんな場所でも同じなので考え方を覚えておきましょう。
この動画も役に立つので参考に。
無駄な電気を消す
まずは不要な電気を消しましょう。
部屋は暗くなりますが窓の光があれば自然で柔らかい光があることに気が付いたりします。
またストロボを使用する場合はできるだけ変な光と混ざらないようにしたほうが写真を撮ったあとに加工が楽になります。
電気を消すことでストロボと自然光だけの状態になるので光のコントロールが楽になります。
そのためストロボを使用するのであれば邪魔な電気は消して撮影しましょう。
背景の明るさを決める
まずは被写体にストロボをあてずに背景の明るさを決めます。
背景が暗い、背景に色をつけたい場合には背景用にストロボを置いて背景の明るさを決めます。
被写体にあてる光の強さを決める
被写体は背景から1メートルくらいは最低限離れるようにします。
理由は被写体用にあてた光が背景にも影響することを防ぐため。
ストロボの光は距離の二乗で暗くなるので少し少しでも離れることが重要です。
被写体にあてるストロボは被写体にできるだけ近づけます。近くにすることでストロボの光を弱くすることだでき背景に光が届くことを抑えることができます。
写真を引きで撮りたい場合は被写体からストロボを離す必要があり離れるとストロボを強く発光させることになり背景に光が届きやすくなります。
そんな場合は被写体を背景からさらに離す。ストロボを横の方からあてて背景方向に向けないという方法で背景に光が届くことを防ぎます。
被写体の明るさのムラを調整する
最後に被写体の光の当たり方を確認します。
とくに被写体用のストロボを発光させた時に反対側が暗くなる傾向があります。
その暗さが許容内であれば問題ないのですがもし暗いようであればカポックやレフ版を配置したりストロボを弱く発光させたりして明るさを追加します。
ストロボを当てている側でも足元が暗くなることがよくあります。
そんなときは被写体用のストロボの向きを下向きにしてみたりストロボを追加したりします。
特に暗い背景で黒っぽい衣装の場合は衣装の暗い部分が完全に背景に溶け込んでしまう可能性があるので撮影時にチェックしましょう。
ストロボの1灯ライティングのバリエーション
ストロボの配置位置について紹介してみます。
あくまでここは被写体に対してのストロボの位置になります。
正面
ストロボをカメラと被写体の向きと同じ方向からあてることになります。
高さにより変わってきますが顔に影が出来にくいライティングになります。
鼻の影も出にくいのでコスプレイヤーさんには好まれる傾向があり、平面的な写真になりがちですがアイドル、かわいい系のコスプレでは必須のライティングになります。
顔より上から光をあてるとあごの下に影ができやすいのでストロボの光があたるようにストロボの高さは低めが良いことが多いですね 。
斜め45度
斜めから光をあてることで影ができます。
顔にできる影は主に鼻の影ですね。
ストロボの光源の大きさにもよりますが鼻の影が強く出るような写真を好きではない人もいるのでライトは斜めからでも顔は若干ストロボの方をむいてもらうことで軽減できます。
カポックがあれはストロボと反対側にカボックや白壁を使って光を反射させ影を薄めてあげるのもよいですね。
男装やかっこいい系の撮影では試しておきたいライティング。
一般的にはレンブラントライティングとか言われてます。
サイド光
サイド光はライトの当たっている方向と半分だけ影にするライティング。
横からあてることでで半分影にできる。
距離が近いと光源の大きさによりライトの当たる範囲が変わるので被写体にでにる影の雰囲気にあわせて距離を変えてみましょう。
バックライト
バックライトは被写体の後ろにストロボを置くライティング。
被写体からストロボを離すことで被写体のシルエットを際立たせて撮影することができます。
このライティングは正面側からの光がないので1灯しか使わない場合はカポックやレフ板を置くことで反射させて顔に光を回します。
被写体の後ろにストロボをおいて壁に向けてライトをあてることで被写体の背景を光らせることで被写体のシルエットで撮影するということもできます。
天井バウンス、壁バウンス
狭い部屋であまり高くない天井の場合に全体的に明るくしたい場合に利用するのが天井バウンスこと天バン、このとき壁に光をあてる壁バウンスから壁バンとかいいます。
ストロボは白い大きな面にあてると光が反射して拡散します。
そのためより大きな面光源となり周囲を照らします。
大きな面でバウンスさせ撮影すると被写体へは四方八方から光を受けるため影の少ない撮影ができます。
女性を影少なく撮影するのであればバウンスを使用した撮影はとても有用です。
注意点としてはバウンスさせる壁に色がついていると反射した光もその色の影響を受けるということ。
→バウンス撮影
ストロボの2灯ライティングのバリエーション
基本は1灯ライティングです。
その上で足りないところにライトを置くことで影や背景の明るさをコントロールするのが2灯ライティングだと思っています。2灯でたりなければ3灯、4灯と必要に応じて増やしていきます。
クロスライティング
被写体を挟んで斜めに両側にストロボを配置するライティング。
前面と背面からあてることで正面を明るく反対側のシルエットをはっきりさせたいときによく使います。
1灯で撮影するより反対側からあてることでハイライトを入れることができるので2灯撮影するなら抑えておきたいライティング。
45度ライティング2灯
被写体の左右両側からストロボをあてて全身をキレイに影なく撮影する方法。
1灯とレフ板の組合せ以上により影なく撮影できるため女性キャラの撮影に好まれる傾向がある。
被写体の顔の向きにあわせて左右の2灯の高さを変えることがよくある。
壁近くや背景が明るい場合はかなり使えるライティングです。
クラムシェルライティング
クラムシェルライティングは被写体にむけて上下にストロボを設置し被写体に光を当てる方法。
アイドル撮影ではぜひ試してみたいライティング。
被写体の上から下まで十分な光をあてることができ上からあてたときにでできる影を下からの光で薄めることができる。
サイド光ライティング
被写体の両側からストロボを発光することで正面に影を作るライティング。
顔がカメラに対して正面を向いている場合は真正面が暗くなるので雰囲気重視のライティング。
殺意高めなコスプレで使用すると良い感じ。
基本的には横からだけど光が前に回りすぎる時は若干斜め後ろからあてる場合もある。
1灯とバウンスの組合せ
被写体に対してあてるストロボと天井にバウンスさせるストロボの2つを使うライティング。
部屋の中で部屋全体を明るくしつつ被写体をより明るく強調、影を作ることができる。
ストロボを正面からあてるだけだと影のない写真になりがちだったり、正面からストロボあてることで背景が暗くなったり変に影が目立ったりするのでその両方の欠点を打ち消すことができる。
その他のストロボを使ったテクニック
日中シンクロ
日中シンクロは太陽光の下でストロボが必要ではないくらいの場合にストロボを使用する方法。
周辺を目で見た状態より暗くし被写体を際立たせるのに使う。
また強い逆光で撮影するときに暗くなる被写体正面に対してストロボを発光する撮影方法です。
→日中シンクロのやり方、コツ
カラーシフト
ストロボにカラーフィルタをつけて発光し被写体にあてる。
そのままだと被写体にカラーフィルタの色がついてしまうのでカメラのホワイトバランスを調整することで背景の色がカラーフィルタと反対の色になるという撮影方法。
ピンクのカラーフィルタを使うと背景が緑になるので異世界間を出せたりします。
→カラーシフトのやり方とコツ
スローシンクロ(後幕シンクロ)
スローシンクロはカメラのシャッターをきって一定時間あとにストロボを発光する撮影方法。
夜景と人物を撮影するときに背景を長時間露光しつつ最後にストロボを発光し被写体に適切な光をあてて撮影します。
コスプレの撮影では光の軌跡を描く場合にも使えたりします。
困ったことにペンタックスのカメラとgodoxのストロボではこの撮影方法ができないんですよね。
ちなみにCANON、ニコン、ソニーなどはgodoxで問題なくできますよ
逆に先幕シンクロというものがあるけど通常のストロボ発光時は先幕シンクロで動作しています。
マルチ発光
シャッターを切っている間に複数回ストロボを発光させる撮影方法。
動きのある動作をストロボを光だけで撮影するとコマ送りのような写真が撮影できます。
黒ホリのように一定時間以上のスローシャッターで背景が明るくならない程度の暗さが必要。
移動距離のある動作とシャッターが開いている時間、ストロボを光らせる回数と感覚の調整が難しくちゃんとした写真を撮るには難易度はかなり高いと思う。
コスプレ撮影でマルチ発光を使っている人は少ないので興味がある人はチャレンジしてみてください。