大人数の集合写真を撮影するためにどうやって撮影したらいいの?設定は?注意点は?最初は難しいですよね。

コスプレの大型併せでカメラマンをお願いされることがあるけど大人数の撮影ってなかなか難しいんですよね。

ピント、明るさ、被写体の配置・・・・屋内撮影になることが多いコスプレの大型撮影は経験がものを言います。

でも集合写真で一番重要なことは

写っている人全員の顔にピントがあっていること!

失敗すると最前列の人はキレイに写っているけど後ろの方の人がピンボケに。。。

いままでに数十回の併せ撮影で5人くらいから70人規模の集合写真の撮影をしてきました。

初めての集合写真は今では見せられないくらいピントのあっていないというひどい結果になっています。

あなたには、そんな失敗をしてほしくないので大人数の集合写真の撮影方法やコツについてお話します。

コスプレの大型併せのレンズ選び

大人数撮影時のレンズ選びはそんなに重要ではありません。

レンズ選びに必要なことはこの2つだけが重要。

  • 集合写真のメンバー全員が入る画角のレンズ
  • できるだけ標準領域で撮影する

簡単に言ってしまえば

各社フルサイズ用 24-70 F2.8や24-70 F4のお高いズームレンズだけでなく、APS-Cカメラについてくる18-50mm F4-F5.6みたいなレンズでも全然大丈夫です。

集合写真のメンバー全員が写るレンズ

レンズの広角側で全員が入らないなんて最悪ですよね。

持って行ったレンズを使って撮影場所で全員を写すことのできることが重要です。

もちろんそうですよね。

持っていったレンズが望遠レンズで一番焦点距離が小さくても画角の中に全員入らない!

なんてことになったら目も当てられませんよ。

もしスタジオの広さや人数がわからない場合はできるだけ広角レンズを用意しておきましょう。

広角過ぎるレンズは下で説明するようにゆがみの問題もあるので適度なレンズがいいですよね。

よくカメラのオマケについてくるレンズは18mmや24mmからのものがあると思うのですがそれで十分です。

単焦点レンズは映りがいいので一眼レフにつけてる人も多いと思いますが集合写真には不向き。

スタジオの広さと人数によっては持って行った単焦点レンズではうまく構図がとれない場合があります。

スタジオが狭いと後ろには下がれないなんてことがあるのでもしもの場合は広角側の使用できるズームレンズがいいですね。

できるだけ標準レンズ

理想はF値を大きくしても画質が落ちない、周辺のゆがみが少ないレンズになります。

開放F値は明るいレンズは必要ありません。(F1.2とかF1.4とかいうレンズですね)

むしろF8やF10できれいに写るレンズが集合写真では優秀です。

集合写真では背景をボカす必要はありません。

また広角なレンズ設定だと写真の4隅に行くほど歪みが大きくなるのでやめましょう。

例えば下記の写真。

画像-壁のマス目

 

24mmという広角で撮影されているのですが4隅の方を見てみましょう。

また下から上にかけてまっすぐなものが斜めになりさらにゆがんでいます。

もしこれが人だったらどうでしょう?

体が斜めになり顔が斜めになりさらにゆがむという酷い状態になってしまうんです。

大型併せの場合は写真の画角ぎりぎりまで人が入る可能性があります。

そうなると広角側をできるだけ使用しないで撮影したほうが端に並んだ人が歪まなくてすむことになります。

できれば50mm近くの設定で全体を撮影できることが望ましいと思っています。

そうはいっても広角気味になってしまうことが多いのでそのような場合はできるかぎり4隅に人を置かないように空白を作るように撮影します。

被写体との距離はできるだけ離れる

レンズ選びとは少し違うけどレンズの性格として被写体との距離が離れるほどピントがあっている範囲が広がります。

そのため併せの集合撮影の場合は離れた方が全体へのピントが合いやすくなります。

ズームレンズを使用していて24-70mmとかであればできるだけ50mm以上で撮影したいですね。

集合写真撮影の位置から自分の立ち位置を出来るだけ後方に移動します。

後ろに下がることで望遠側が利用できるのであれば後ろに下がって撮影しましょう。

またピントは後ろより前のほうがボケる範囲が短いので、撮影時は中央より最前列より少し後ろよりにピントを合わせて撮影するようにします。

集合写真でのカメラの設定

次にカメラの設定について説明します。

集合写真では全員にピントのあった写真を撮影することが必要です。

F値(被写体深度)を大き目に設定

後ろの方のピントがあってない…

こんな集合写真は誰も喜びませんよね。

どんな場合でも大人数であってもすべての参加者にピントを合わせる必要があります。

そのためF値はとにかく大きめにすることになります。

背景をボカすとかそんなことを気にしなくていいからF値は10とか16とかに設定してしまいましょう。

ただしF値を大きくすると写真全体が暗くなってしまいます。暗くなった分はシャッタースピードとISOで対応します。

集合写真の奥行があまりないのであればF8などで撮影してみてピントがあうか確認。

無理そうならF10以上にもどんどん上げていきましょう。

シャッタースピード

F値を決めたらシャッタースピードの調整です。

シャッタースピードが遅い場合は手振れ、被写体ブレの原因になります。

そのためシャッタースピードは遅すぎるのはダメ。

まずは基準として60分の1秒が最低ラインにしましょう。

シャッタースピードは早い分にはいくつでも大丈夫。

100分の1秒、200分の1秒でもF値が高くても適切な明るさの写真が撮影できるなら問題ありません。

ISO感度はできるだけ抑えたいけど上げるときはあげる!

F値を決めて、シャッタースピードを調整した。

でも60分の1秒に設定したけど写真が暗いという場合はISO感度を上げていきます。

最近のカメラは性能がいいのでISO感度を多少上げても問題はないことが多いですね。

それに集合写真は後からトリミングすることもほぼないのでノイズが目立ちにくいというのもあります。

重要なのは全員にピントを合わせて撮影できること。

ISO感度を上げ過ぎて多少ノイズが多くなっても全員が写ることが重要ですからね。

わたしはISO感度は800くらいから始めてもぜんぜん問題ないと考えています。

もしISOを許容できるくらいまで上げていっても明るさが足りない場合はストロボなどの明かりが必要になっていきます。

ストロボは必要か?配置をどうするか?

集合写真でSS1/60、F16が必要な場合でISO1600や3200に設定しても写真が暗くなってしまうような場合はストロボが流石に必要です。

私の撮影スタイルではストロボを使用しないで済むならストロボは使用しないほうがいいと考えています。

はっきりいうと全体集合ではストロボを使用しないで撮影できるならそれに越したことはないというのが経験からの感想です。

理由としては大人数の撮影では全員に盛れる光をあてるというのは難しいという理由からです。

ただ、30人、40人規模の集合写真の場合はF値をそれなりに上げいるのでかなり明るいスタジオでない限り光が足りません。

そうなってくるとストロボの出番になります。

 

でもストロボを使うことでも問題があります。

それが影。

 

集合写真では影が後ろの人に被る、背景に変な影が写るという問題が出てくる場合があります。

その影が後ろの人に影響を与えてしまう問題も発生します。

ピンや少人数の撮影なら対して問題にならない影ですが大人数の集合写真の場合はどうしても全体にストロボ光をいきわたせようとするので影ができやすくなります。

 

可能であれば天井に向けてストロボを光らせる(天井バウンス)ことができればいいのですが大規模なスタジオではなかなか難しいことが多いです。

そのためストロボは一番遠くに一番光があたるように方向に向けてあまり強く発光しないことが重要だと思います。

ストロボは被写体を明るくするのではなく室内を写真が撮影できる程度の明るさにするために使用するようにしましょう。

ISOを上げて足りない分を少しでもストロボで補うという考え方です。

 

大きなスタジオだと天井が高くストロボ光を天井に反射させることができないことがほとんど。六本木のモーリスとか神田のライトスタジオでのコスプレ大規模撮影はカメラマン泣かせです。

天井がそれほど高くなく(5メートルくらい)、白系統の色であればストロボは天井や壁に向けて全体に光がいきわたるようにセットします。

ストロボは中心から左右対称に配置した方が明るさの調整がしやすいと思います。

少しでも天井や壁の反射が狙えるのであればストロボ無しで撮影するよりはマシになるのでストロボをたいてみましょう。

 

大型といっても大して広くない場合はストロボを使用する場合はアンブレラで光を拡散させるといいです。

ソフトボックスの方が被写体に直接光をあてられますが大きなソフトボックスがない場合はアンブレラの方がいいです。

ストロボ直射より大きな範囲に光を届けるためにできるだけ大きなアンブレラを使用したいですね。

1メートルくらいの大きさのアンブレラを2,3本持っておくと便利です。

こう考えるとストロボは3台以上、また最低2メートルのストロボスタンドを2台以上用意しておきましょう。

大人数集合写真の撮影の流れとカメラマンのすること

カメラの設定、明るさの確認が済んだら次は実際に列を並べる方法です。

こればかりはカメラマンの積極性が試されるところになります。

元気な大きな声で列を並べていきましょう!!

暗いカメラマンよりここでカッコよいカメラマンを演じていきましょう!

大人数をまとめるのはなかなか難しいということがわかりますよ。

並び方を事前確認

大人数の併せの場合は主催がどう並べたいというのがあることが多いので事前に聞いておきます。

並びはどうなのか?奥行きがどれくらいになる可能性があるのか?

撮影時に上から撮るのか同じ高さで撮影するのか?

そのうえでスタジオのホームページの画像を確認してこの場所で撮影かなという目星を付けておきます。

スタジオの状態に関してはTwitterなどでスタジオ名で検索して他の併せの写真を見て参考にするというのもありますね。

大型併せの構図例

一番簡単な撮影方法は上ような記念撮影的なひな壇並び。

並べるのも簡単だし奥行も少なめで一番撮影が簡単な集合写真の並びですね。

前の人の間に後ろの人が入るように並べると調整がしやすくなります。

特にやや上から撮影することでピントの合う面が浅くなりF値を抑えることもできます。

 

上の2枚目にある斜めに並べて横方向を見る並び。

これは撮影自体はそんなに大変ではないのですが並べるのが大変。

前のめりのポーズでさらに低い位置から全員が見えるよう調整するのに時間がかかる。

事前に想定していても被写体の身長やコスのサイズで想定通りいかないことが多いので時間がかかります。

テキパキ指示していかなとほんとうに時間がかかります。

 

そして一番の問題が範囲が大きな並び。

40人くらいが一定間隔をあけて広い場所にならんだ状態になる並び方。

意外と円形はキレイに並べるのが難しいいのでうまくバランスをとって指示します。

奥行もあるし範囲が広いので全員に光が回るようにストロボを配置するのが大変。

壁の近くに立たせると後ろの影が気になったしまうのでできれば壁から少し離れてほしいところ。

 

こんな感じですね。

並びかたや撮影の並びに関しては難易度が異なるので自分のできる範囲をちゃんと把握するのが大事です。

他にもいろんな集合の並び方があるのでTwitterで流れてきた他の人の集合写真を参考にしましょう。

被写体の誘導、壁との距離

人数が多くなればなるほど、みんな結構好き勝手にやってるので主催が動けない場合はとりあえず声掛けして並べます。

 

まずは中心を決めます。

何か目印を決めて起点となる人を並べ固定します。

大型併せの主催さんがある程度並べ方を決めてくる場合が多いので、中心を決めてその通り並べてもらいます。

 

この時、レイヤーさんのキャラ名がわからないと並べるのは大変なんですよね。

「○○(キャラ名)さーん、一歩前へ」

「△△(キャラ名)さーん、半歩左へ」

って感じですね。

いったん全員が所定の場所についたらここからは集合カメラマンの出番

正面から撮るなら人や武器や装備が被って後ろの人が見えにくくならないように注意して動かしていきます。

身長が低い人が後ろにいるようなら前の人と入れ替えるか見えないように台に乗ってもらうなどの対策をします。

あなた自身な撮影の中心になるので全員の顔が自分の位置からしっかり見えるように指示をして並べていきます。

明るさ、ピントを確認

ある程度並べたら試しにシャッターを切ってどのように写るのかを確認します。

併せの主催さんが並べている間にも時間があればシャッターを切って明るさとピントを調整をしていきます。

この時、影が強く出すぎるようであればストロボを弱めてISO感度、ストロボの強さを調整していきます。

ISOは1600まで上げても問題ないのでストロボによる変な影ができないように撮影するのが後の補正を楽にするコツです。

ほんと影の処理は大変ですからね。

場所、顔の向きに注意をする

明るさの調整が終わったらこんどは全員に撮影時のポーズをとってもらいます。

これにより人と人の重なりや見えにくくなる人がいないかを再度確認します。

被写体のみんなにカメラが見えているか確認してもらいましょう。

見えていない、前の人が気になる場合はカメラからみても被っていますからね。

撮影時の声かけ

シャッターを切るときは声をかけていきます。

最初のシャッター時には

「目線だけなく顔をカメラの方に向けてくださいねー」

と顔の向きも指示しましょう。

目線だけカメラに向けると変な目つきになってしまいますからね。

顔をカメラに向けてもらう方がキレイにうつります。

 

シャッターを切るときの掛け声は、普通に「はい、チーズ」だとシャッターのタイミングが取れないので

「いきまーず、3、2、1」カシャッ

って掛け声でシャッターを切るのがお勧めです。

コスプレ撮影の掛け声はカウントダウンがデフォルトです。

 

このカウントダウン中に自分はファインダー内の位置を調整します。

全員が画角に入っているか、バランスが悪くないかをチェックしつつ、カウントが終わったらシャッターを切ります。

この掛け声はレイヤーさんの撮影全般で利用できるのでぜひ使うようにしましょう~

 

撮影したら撮影した写真をチェックしましょう。

ピントが合っているか、レイヤーさん同士がかぶっていないかを確認します。

特に後ろの方、両端の方が見落としやすいので注意してくださいね。

チェックできたら主催さんに確認してもらいます。

このチェックが重要です。

レイヤーさんはこだわりをもってメンバーの配置を決めているので撮影した後に「イメージと違う!」なんてことが無いようにみてもらいましょう。

写真を見てもらい、こうしてほしいとかあればどんどん指示して調整していきます。

この時、他のメンバーには動かないように指示しておくのも重要です。

最後に数枚を撮影

主催さんのチェックもOK、ピントも明るさも大丈夫、人物かぶりも無し。

ここまで来たら何枚か撮影しておきます。

同じ構図、同じ明るさですが目をつぶってしまう人もいるかもしれません。

何枚か撮影して、最後に撮影した写真をチェックして問題なければ終了です。

集合写真は並べはじめからOKになるまで30分近くかかる場合もよくあります。

レイヤーさんも動かないようにしたり、自分も指示たくさん出したりするので大変だったと思いますので

最後は

「お疲れ様でしたー、集合写真OKでーす」

という挨拶をしておきましょう。

大型併せの集合写真の撮影は信頼の証

集合写真はこのようにたくさんの労力がかかります。

主催さんとしても信頼できるカメラマンさんに頼みたいものです。

そのため主催さんからあなたに集合写真をお願いが来た時はあなたを信頼してのことです。

だからこそ信用を裏切らないように頑張りましょう。

自分で難しいと思ったら併せのメイン撮影を辞退することも必要です。

コスプレカメラマンを始めて最初のうちは集合写真を撮影するのは難しいです。

まったく集合を撮影しないカメラマンもいますからね。

自分でもできるようになると思えるまでは自分から大型併せに参加して集合写真を撮影するカメラマンをよく見て勉強するのもいいです。

 

また大型併せの場合はカメラマンも他にいる場合が多いので手伝ってもらいましょう。

ストロボスタンドの場所を移動してもらったり。

場合によってはストロボを借りるというのもありです。

使用しているストロボのメーカーが同じなら使えますからね。

そんなときに便利なのがストロボメーカーとして「GODOX」を使っておくことです。

私もよく集合写真の場合はストロボを貸してあげたりしていますし借りることもありますからね。

 

この記事を読んでいい集合写真を残せることを願っています。

あとは大型併せの写真を頑張って撮影して、余計な影や物を消してからレイヤーさんに渡してもそのままになることがあるんですよね。

大型を撮影できるっていうのは併せのカメラマン募集では需要あるんだろうけど。

やっぱり撮るのが大変だからこそTwitterに投稿してもらいたいと思うさざびいでした。

 

大型併せで利用したスタジオの感想

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