Twitterで他のカメラマンが撮影した屋外でのコスプレ写真をみていてこんな風に撮影したあなぁと思ったことありませんか?
明るい屋外なのに被写体がはっきり写っていて空も青空。
こんな写真はどうやって撮るのかというと
日中シンクロ
で撮影していることが多いんです。
この記事では誰でも屋外での日中シンクロを簡単にできるように必要な機材やカメラ設定のコツなどを私なりに説明していきます。
次のアコスタやコミケではレイヤーさんに気に入ってもらえる写真を渡せるように今から練習しめしょう!
戦艦陸奥、抜錨! 出撃します!
◆陸奥改二
Photo:門デフさん#陸奥生誕祭2020 #写真集水平線の向こうへ pic.twitter.com/tMb35ViR2e— 🇾 🇺🚢STAY HOME (@pyuqawa) May 31, 2020
日中シンクロとは
日中シンクロとは
明るいストロボを使う必要もない明るい環境でストロボを使用して撮影する
技法です。
簡単にいえば太陽光のもとでストロボを使って撮影することなんですが、明るいのにストロボなんて必要なの?という方もいるでしょう。
屋外でストロボを使用して撮影するメリットは以下があります。
- 逆光で影の中を明るくする
- 背景は暗く被写体をくっきり撮影できる
- 昼でも夜のような写真が撮れる
この3つのメリットがあります。
そのため屋外でのコスプレ撮影においては是非マスターしたい撮影方法です。
あなたがみた屋外のコスプレ写真で被写体と背景の明るさが同じではない場合はほぼ日中シンクロを利用しているとみて間違いないでしょう。
上手いカメラマンさんの写真はこのようなメリットを利用した写真をあなたも撮影できらようになりましょう。
日中シンクロのやり方を徹底解説
日中シンクロはカメラだけではできません。
具体的にどのような道具が必要になるのかみていきましょう。
もちろんストロボが必要になります。
ただどんなストロボでもいいわけではなく日中シンクロができるストロボが必要になります。
また日中シンクロを行うためにはカメラの設定や太陽の位置関係の確認が必要になっていきます。
日中シンクロに必要な機材
コスプレの日中シンクロを行うにあたって必要なものを紹介します。
- カメラ
- ストロボトリガー
- 太陽に負けないストロボ
- ルーセントアンブレラ
- アンブレラホルダー
被写体と離れて撮影する場合はストロボを被写体の近くに設置するためにストロボスタンドも別途用意します。
アコスタやコミケのように広い場所で撮影できない場合はスタンドを使用せず手持ちで撮影するようにします。
カメラ、ストロボトリガー
ストロボはカメラから離して利用できるようにオフストロボライティングをできるようにしておきます。
日中シンクロに適したストロボ
日中シンクロを行うにはパワーのあるストロボが必要です。
クリップオンストロボであればガイドナンバー60のものを用意しましょう。
また、ストロボの機能としてハイスピードシンクロという機能を持っているものを用意します。
通常ストロボには同調速度というものがありカメラのシャッタースピードの最大速度に制限があります。
このあたりは機種によることになるんですけど200分の1秒から250分の1秒程度までしかシャッタースピードをあげられません。
そこでこのシャッタースピードより速い値でもシャッターを使用できるようにするのがハイスピードシンクロ(略してHSS)の機能になります。
格安ストロボのgodoxのTT600にも付いてるので余程の激安ストロボでなければ利用可能なものは多いです。
xproやx2tといったgodoxのトリガーをあわせて購入してくださいね。
XproとあわせてTT600を使うことでよほど被写体から離れてストロボを使わない限り日中シンクロが可能です。
お金に余裕があるのであればad200 のようによりパワーのあるストロボを用意しておくといいかもしれません。
アンブレラホルダー
ストロボをそのまま被写体にあてると影が強くでてしまうので私の場合はルーセントアンブレラを使用します。
ただそのままルーセントアンブレラをストロボに取り付けることができないのでアンブレラホルダーを用意します。
アンブレラホルダーはイベントでの撮影に便利なように大きめでストロボ落下の心配のないものを用意したいところです。
もし、屋外で十分な広さのある場所でカメラとの距離をある程度取れる場合はストロボスタンドがあってもいいですね。
屋外では風の影響をうけやすいので出来るだけ大きく足を広げて荷物で抑えられるようなものが安心です。
ルーセントアンブレラ
そして最後に必要なのがストロボの光を柔らかくするために使用するディフューザーです。
ディフューザーはストロボの光を柔らかくするためにしようするものでソフトボックスやアンブレラなどのことをいいます。
屋外での撮影には広い範囲を照らせて扱いやすいルーセントアンブレラの利用をお勧めします。(安いし)
ルーセントアンブレラでストロボを直接被写体にあてたようないかにもストロボで撮影したような写真にならないようにできます。
注意したいのはアンブレラやソフトボックスは風の影響をとにかく受けやすいので風の強い日は注意して利用してくださいね。
アンブレラの骨もスタンドごと倒れると簡単に折れてしまうし、最悪ストロボ故障とかのリスクもありますからね。
ほんと、海近くの撮影では夕方から夜になると急な風が強くなるので注意しましょう。
日中シンクロのカメラ設定
日中シンクロで撮りたい写真は空は青く、背景の建物などは若干暗くなるように露出を調節したいところです。
背景の空を青く、建物などを若干暗くしたい場合はシャッタースピードを速くして露出を少し暗くする必要があります。
また太陽のある方向の空は明るいので被写体の真後ろではなく45度後方にするようにしたいですね。
カメラの設定はできるだけ写真が暗くなる方向の設定をしていきます。
基本的には被写体の方が明るくなるように背景を暗く落とすように調整です。
- ISOは最小値
- F値は出来るだけ最小値
- シャッタースピードで背景の明るさを調整
とします。
ISOは上げるの写真が明るくなってしまうので最小値である100程度にします。
F直は上げると暗くなりストロボのパワーも必要になってくるので最小限の設定にしたいですね。
2人以上の被写体がいる場合は出来るだけ奥行きを取らないような構図にしましょう。
背景で露出を決めるとシャッタースピードはかなり早いはずなので被写体は暗くなります。
被写体が暗いのはこのあとストロボで明るくするので問題はありません。
この時点でストロボのリモート撮影用にトリガーをつけている場合はシャッタースピードが同調速度より上がらない場合もあるので先にストロボの設定をハイスピードシンクロに設定しておきましょう。
ストロボをハイスピードシンクロに設定
ストロボの設定をしていきます。
カメラのシャッタースピードがストロボの同調速度を超えている場合はハイスピードシンクロの設定をします。
godoxのxproであれば下記のようsyncボタンを押すだけでハイスピードシンクロモードになります。
通常ストロボは200分の1秒以下のシャッタースピードに対応しています。
それ以上早いシャッタースピードに設定すると、カメラが光を取り込んでいる時間内にストロボの発光が間に合わなくなります。
この間に合わない現象を解消するのがハイスピードシンクロモードです。
撮影の仕方
ここまで調整したら実際の撮影です。
ストロボはできるだけ太陽と対角線の反対から照らすように配置します。
被写体の右後ろであれば自分から見て右前からという感じですね。
背景の色は調整済みなので被写体の明るさを見ながらストロボの強さを調整します。
暗いからとカメラ側の設定を変えてしまうと背景が明るくなってしまうのでストロボで調整します。
このときストロボの調整は以下のようにしていきます
被写体が暗い→ストロボを強くするかアンブレラを被写体に近づける
被写体が明るい→ストロボを弱くする
イベントなどでストロボスタンドが使用できない場合は手持ちになるので被写体のどこに光りをあてるか確認しながら撮影しましょう。
ストロボは傘の中心より上で発光するので若干下向きにするといいですよね。
もし1/1でも被写体が複数人いて明るさが足りない場合はアンブレラを外してストロボ直当ても考慮します。
しかしながらアンブレラを外すと光が硬くなってしまうので最大光量の1/1で発光させてもくらいならあとで写真そのものを調整したほうがいいかもしれません。
背景を少し明るくしてもいいのであればISO感度を少し大きくして被写体の明るさを調整してみましょう。
注意点
日中シンクロは一度の撮影で複数回ストロボを光らせるという仕組みで動きます。
そのため1/1で撮影しても通常より光は弱くなります。
思ったよりも暗いなという場合はこの後に書いてあるハイスピードシンクロを使用しない日中シンクロを検討する必要があります。
またハイスピードシンクロ撮影時はストロボを複数回光らせるため通常より早く電池を消耗していきます。
そのためストロボ用の予備の電池を持っていくのを忘れないようにしましょう。
ハイスピードシンクロを使えない時の日中シンクロ
ハイスピードシンクロに対応していないストロボだったりする場合の1つの方法としてハイスピードシンクロを使用しない日中シンクロの方法があります。
それは屋外でも通常と同じように200分の1秒といったストロボの同調速度の範囲内で撮影する方法になります。
ハイスピードシンクロを使用しないで日中シンクロを行うために必要なものがNDフィルタというものです。
この方法については別記事で説明しているのでやり方を確認したい場合はこの記事を読んでくださいね。
イベントで日中シンクロをする場合の注意点
日中シンクロをする場合は上記で説明してきたようにカメラのほかにアンブレラを使用します。
アンブレラは大きさにもよりますが直径で80cm奥行きも同じくらい場所をとります。
コミケなどのコスプレイベントではアンブレラを使用すると非常に邪魔になることがあります。
またイベントによってはストロボスタンドの持ち込みやストロボの使用が禁止のイベントもあります。
コミケの場合はレフ版の使用が禁止だったりします。
このようにコスプレイベントによってはストロボやアンブレラ、スタンドなどが使用できない場合があるのでイベントで日中シンクロをする場合は規約の確認をしてくださいね。
規約はイベントのホームページやTwitterアカウントで確認できるのでチェックしてくださいね。
日中シンクロの撮り方まとめ
日中シンクロの撮り方を説明してきましたが理解できましたか?
日中シンクロを行うためにはストロボ、カメラ、太陽光などいくつもの条件を適切に判断する必要があります。
そのためイベントなど順番待ちがある場合はサッと設定して撮影できないと他人にも迷惑をかけてしまいます。
でも、キレイに撮影できると非常に見栄えがよくレイヤーさんにも喜んでもらえる写真が撮影できるでしょう。
日中シンクロは被写体が人間でなくても練習できるのでぜひトライしてみてくださいね。