カラーフィルターをストロボにつけて背景の壁に色をつける方法とコツについてお話します。
色は壁などストロボを当てるものが暗い色であるほどはっきりでる傾向があります。
そのため黒ホリが1番色をつけやすいと考えてもらえればとおもいます。
でもカラーフィルターって意外と簡単そうでも、思ったような色味がでなかったりします。
この記事では、一般的なストロボでカラーフィルターで色をつける方法を説明していきます。
黒ホリでは暗い背景の場合にいい色味を出しつつ、被写体の明るさを適切にするためのカメラ設定を説明していきます。
白ホリや白壁、明るい場所でもカラーフィルターを使用した色を付けることはできますが黒ホリより色が薄くなるので注意してくださいね。
背景に色を付けるにはカラーフィルターを使う
カラーフィルターとは?
ストロボを使用して背景に色を付けるにはカラーフィルターを使用します。
カラーフィルターというのは簡単に言えば色のついた透明のフィルムです。
ストロボの光の色を変えるカラーフィルターはストロボ用のものを利用することをオススメします。
だいたい20色くらいがセットになり販売されていますね。
例えばカラーフィルターの有名なところではローグ(ROGUE)というメーカーのフィルターがあります。
安全性にも配慮した素材で作られており、さらにフィルターの表面にどれくらい色温度がかわるか詳細が記載されています。
色温度の変化はカラーシフトという技法を使う場合に重宝します。
でもローグのカラーフィルターは高い。5000円くらいします。
安いものであれば1000円弱で購入できることを考えると悩みどころです。
ちなみに私は安い方を使ってます。
自分はこちらの1000円程度のフィルターを普段使用しています。色温度は別に気にしないので。
注意してほしいのが同じような形のカラーフィルターはAmazonで探すとたくさん出てきます。
しかもフィルターの色ってメーカーや販売者によって微妙に違っていたりします。
だからストロボ2つに同じ色のカラーフィルターを付ける場合は同じメーカーから購入することをお勧めします。
カラーフィルターの取り付け方
基本的に上記で紹介したカラーフィルターのストロボへの取り付け方はリング型のゴム(安物は輪ゴムだったり)で固定します。
カラーフィルターに付属しているもににはゴムにつまみが付いているものがあります。
このゴムをストロボのヘッド部分に取り付けてフィルターの細長い部分をゴムの間に挟みます。
この挟むときにこのゴムのでっぱりを引っ張ることで簡単にスキマを作れるという仕組みです。
より安いカラーフィルターの場合普通の幅広の輪ゴムが付いてくるものもあります。
別に使えないことはないですがAmazonなどで商品画像に輪ゴムが写っていないものは注意してくださいね。
TT600によくついてるカラーフィルター
AmazonでGodoxのTT600などの格安ストロボを購入するとカラーフィルターがオマケでついてくることもあります。
下記のように商品写真では普通の長方形のカラーフィルターが写っています。
これは下記のように透明なケースに入れてマジックテープでストロボに固定するタイプでした。
普通に使用できます。
欠点はストロボのヘッド部分にマジックテープを両面テープで張り付ける必要があるということですね。
そしてこの方法の場合はストロボの横から光が漏れることがあり写真に変な線のような光が映り込んでしまうことがあるんです。そのため最近はこちらはめっきり使わなくなりました。
ストロボアクセサリーセットのカラーフィルター
カラーフィルターの中にはディフューザーなどとセットになったものもあります。
下記のような商品に付属しているものですね。
ドーム型のデフューザーやグリッド、カラーフィルターなどを簡単に取り付けることができて便利です。
このセットのカラーフィルターの欠点は色数が少ないことと形が取り付け部分に依存していることがありますね。
透明な折り紙はどうなの?
100均の折り紙コーナーに透明な折り紙が売っています。
だいたい6色くらい入っている透明な色付きの折り紙です。
これもフィルターとしては使用可能ですがいくつか欠点があります。
昔安いので試してみました結局色味が好きになれずに使用をやめてしまいました。
結局どれがいいの?
基本的にフィルタの値段や種類に関係なくストロボで色をつけることが可能です。
高いフィルターの場合はフィルターにそのフィルターをつけると色温度がどれくらい変化するかといった情報がプリントされてます。でもコスプレ撮影ではそこはあまり気にしなくていいかと思います。
結局、フィルターつけて撮影した色が理想にあっていればそれで大丈夫。
だからどれでもいいです。
私は使用してるのは1000円程度で購入したものを使用しています。
ゴムもただの輪ゴムではなくカラーフィルターに付属の耳のついたゴムが使いやすくで便利です。
付属のゴムは3本ついているものもあります。
またカラーフィルターの取り付けにいろいろ工夫されている方もいるようなので参考に。
ストロボ用のカラーフィルターは
クリアファイルに両面テープで仕切ったケースに入れると見やすいし取り出しやすいし
ゴムバンドにクリップを装着すると交換するときに摩擦が無いから秒で交換出来て楽なんだよ ていうのはもっと広めたい pic.twitter.com/bi9PzgDU5L— 空科式 (@karakashiki) April 19, 2021
100均のカラーフィルタを使用する場合の注意点
通常のストロボにカラーフィルターで色味を追加するために必要なのはストロボ用のカラーフィルター。
安く済ませようと思うと真っ先に思い浮かぶのが100均で購入できる折り紙のカラーフィルム。
これでもちゃんと色はつきます。
私もストロボの光に色をつけたくて最初に購入してみたものがこの100均のカラーフィルム折り紙だったりします。
というのも、これをストロボに付けて色を変える場合は注意が必要です。
ストロボを発光させると発光面は結構温度があがります。
こちらの記事ではストロボ発光面が溶けるほどだったという記載があります。
http://blog.enjoycamera.jp/archives/2860
発光面のプラスチックを溶かすくらい温度があがるのだからペラペラのカラーフィルムなんて下手すれば燃えます。
自分も最初こんなに温度があがるとは思わず長時間使わなければ大丈夫だろうと思ったのですが折り紙フィルターではないですが焦げました。その写真がこれ、見事に焦げてます。
だから折り紙のカラーフィルムのように燃えやすいので発光面から少し離して使用しましょう。
上記でデフューザー付きのストロボ用アクセサリーを紹介していますがこれは磁石で挟むことができるのでこうすることで発光面からカラーフィルムを離して使うことができます。
私も今では以下のようなストロボのオプションを購入しこれを利用してフィルムを挟んで発光面に直接触れないようにしているので安心です。
ちなみに折り紙のカラーフィルムは通常のカラーフィルターより薄いやめ色も薄くなります。
カラーフィルター使用時のカメラ設定
黒い壁にカラーフィルターで色をつける場合はカメラやストロボの設定により濃さに差がでてくるので適切な色にする必要があります。
適切な色というのは自分の望む濃さってことです。この濃さがいいというのはありません。
具体的な値は実際の部屋の明るさによるところがありますが色の濃さは絞り(F値)とISO感度の数値で変わってきます。
それぞれどのような影響があるかみてみましょう。
カラーフィルターの色により濃さが違う
カラーフィルターをつけたストロボは多少なりとも光量が落ちて暗くなります。
また取り付けたカラーフィルターの色によっても変わってくるんです。
下の画像では上の段と下の段ではストロボの明るさが1段分違います。
上の明るさが好みの場合もあるし下が好みの場合もあるでしょう。
この辺りは完全に好みになります。正解はありません。
赤や青は光量を弱めで色を濃くして使用する。黄色や緑は色を薄めで使用して方が発色がいいように感じます。
ストロボの強さとISO感度を変える
今度はカメラのISO感度とストロボの強さを変えていった場合の色の濃さの変化です。
カメラの設定はいっさい変更せずにストロボの強さを変えていくと光が足りない場合は十分な色が背景に付きません。
そしてある程度までは背景にイイ感じの色がついていきます。
注意するのはストロボが強すぎる、ISO感度が高いと逆に色が薄くなっていくということです。
ストロボは強さとカメラのISO感度によっていろの濃さが変わりますが強すぎるとその部分だけ白くなっていくので注意してください。
絞りを大きくする
絞りというのはF値のことでこの数字を変化させた場合のカラーフィルタの色の濃さの変化をみてみましょう。
今回は赤を使用しています。
F値を大きくすると写真は暗くなるのでカラーフィルターの色は濃くなる傾向があります。
ただし、F値を大きくすることで写真はどんどん暗くなるので広い範囲に色をつけるためにはストロボの光量をより上げてやる必要があることになります。
また後で被写体用に用意するストロボも同じように強く発光させなければいけないのでバランスが重要です。この値なら正解というのはありませんので撮影現場の広さや明るさでF値は決めるようにしましょう。
設定の順番やコツは?
実際にカラーフィルターをストロボに付けた場合の設定順序についても紹介しておきます。
- カラーフィルターをつけた背景のストロボ設定を行なう
- 被写体用のストロボの設定を行なう
先に背景となる暗い場所では背景の明るさを先に決めます。
F値と背景のストロボの強さを決めていきます。
このときシャッタースピードを遅くして調整するのは避けましょう。
シャッタースピードを遅くしすぎると被写体ブレが発生して輪郭がボヤけてしまうことがあるので。
背景の色の濃さを決めたら被写体の正面からあてるストロボの設定を行います。
注意することは、被写体用のストロボの光が背景に漏れて明るくしないように注意してください。
正面から当てる場合は光を弱くストロボを被写体に近づけるなどの対応を行います。
また、被写体にあてる光の明るさは撮影時にしっかり決めてください。
といのも撮影後に被写体が暗いからといって露出を明るくしてしまうと背景も明るくなってしまいせっかくの色が薄くなっていきます。
カラーフィルターを使用した撮影パターン
カラーフィルタを使用した撮影のコツについては上記の通りとなります。
カラーフィルターを利用した撮影は背景に色をつけるだけではありません。ここでは4つほど撮影パターンを紹介しておきます。
キャラクターや背景、イメージによって選択してみましょう。
背景に色をつける
これは普通のカラーフィルターの使い方ですね。
この場合は背景用の光が被写体に影響しないように調整したほうがキレイに撮れます。
また被写体用のストロボも近くで弱く発光させる、出来るだけ横からあてる、壁から離して撮影するといったようにしましょう。
被写体の光が背景にあたってしまうと背景の色が薄くなってしまうので注意しましょう。
被写体の輪郭に色をつける
これは被写体の後ろから壁ではなく被写体に向けて後ろからストロボを発光させます。
ストロボの配置例はこんな感じ。
後ろに配置するバックストロボは被写体の前に置くストロボの対角線上において壁にストロボの光があたらないようにしたいですね。
また被写体用のストロボも被写体にできるだけ近くにおいて光量を抑えてあまり後ろに光が漏れないようにしてくださいね。
ストロボに直接カラーフィルターをつけている場合は光が長方形になるので被写体にあたる場所を気をつけましょう。
複数の色を同時に使う場合
カラーフィルターで色をつける場合は一色である必要はありません。
背景に複数の色を用いて色をつけることができます。
しかしストロボの光を複数同じ場所にあてると明るくなってしまいます。
例えば赤と青のストロボを同時に使うとそれぞれの光しかあたっていないところは赤と青ですがお互いの光が干渉してる場所は白っぽくなっています。
カラーフィルターに色が混ざってきれいな紫になるとはあまり考えない方がいいかな。
カラーフィルタの色は赤と青を一緒にあてても緑なったりせず明るくなってしまうだけということを注意して使用してくださいね。
高さをずらして光のあたり量や範囲をうまく調整することで以下のように上下や左右で色を分けることが可能です。
カラーフィルターの応用技カラーシフト
カラーフィルターを使用したテクニックの一つとしてカラーシフトという手法があります。
これは被写体にあてるストロボにもカラーフィルターをつけて撮影した写真の被写体の色を適切にすることで背景の色を変更する方法です。
例えば背景に夜景を選択した場合、夜景はオレンジ色っぽい色に映ります。
そこで被写体にもオレンジ色のカラーフィルターをつけたストロボで写真を撮ります。
この時カメラの設定で色温度を青系にしておくことで被写体の色を通常の色にするとそれに合わせて背景の色温度にも変化があり、青白い夜景にすることができます。
使用するカラーフィルターによって被写体の色を適切にすることが難しいのでカラーチャートも同じくライティングで撮影しておき現像時に調整する方が楽かもしれません。
詳細は別途こちらの記事で説明していきます。