
黒背景でのポートレート撮影は、ライティング次第で「立体感」も「白トビ」も大きく変わります。背景が反射してしまえば、被写体の輪郭が曖昧になり、黒が黒として成立しなくなる。そんな中、無反射布として評判の高い『大黒門』をスタジオ撮影で使用し、実際にどこまで理想的な黒が出せるのかを検証しました。
撮影には浅型オクタソフトボックス(120cm)と30x120のソフトボックスを使用。
撮ってだし画像をPhotoshopでのRGB値もチェックしながら、背景布としての性能をレビューしていきます。
さらに、今回使用した『大黒門』は千葉県柏市のレンタルスペース「STUDIO杏」で実際に使えるので、購入前に試してみたい方にもおすすめです。
もくじ
ポートレート撮影のライティング機材と背景布の配置
使用した撮影機材一覧
- Godox AD200Pro+120cm浅型オクタソフトボックス(グリッド付き)
- Godox V100+30×120cmソフトボックス(グリッド付き)
ほかにも衣装が黒ドレスだったり、足元明るくするのにGodox it30Proを置いていたりするけどあくまで光は増やす方向。
背景布との距離と配置の工夫
被写体は背景布から約30cm前に配置。浅型の120cmオクタで広く柔らかく照らしつつ、リムライトとして30x120のソフトボックスを設置。
おおまかな配置の位置緩解はこんな感じ。背景布と被写体の距離はほんと最小限。

無反射布『大黒門』の撮影作例とRGB値検証
撮って出し作例と白トビの有無
まずはGodox V100を至近距離からフル発光してみました。さすがに大黒門であっても光を吸収することは無理だったようです。でも100Wストロボのフル発光で白トビせず、光が丸く回っているのに階調がしっかり残っていました。
真っ黒を期待したけどこの結果。ここまで光を当てても白トビしないとは思わず、驚きでした。

Photoshopで確認した背景の黒の深さ
次に被写体に立ってもらい撮影。
カメラの設定はSS1/125 F2.8 ISO100。ストロボはメインライトが1/8、リムライトが1/16。普通なら背景も明るくなってしまうような強さです。
撮って出しの写真をPhotoshopで確認すると、背景のRGB値は000000〜040404。完全な黒に近いけれど、潰れずに階調が残っている状態。無反射布としての性能は非常に高いと感じました。

黒背景布『大黒門』の質感と設置性レビュー
素材の特徴と反射の少なさ
『大黒門』は光沢がなく、繊維が光を吸収する構造。無反射性能が高く、背景に光が漏れにくいのが特徴です。
触った感じでは、表面にわずかに起毛のような質感があり、設置時には皺のようなものが見えることもあります。しかし、ストロボの光を当てて撮影すると、その皺はほぼ消え、背景は真っ黒に沈み込みます。これは布の繊維構造と光の吸収特性によるもので、実際の撮影結果では皺が気になることはありませんでした。
設置のしやすさとシワの出方
紙背景より扱いやすく、ベルベットより軽量。シワも出にくく、スタンドやクリップでテンションをかけると理想的な黒が出せます。
紙背景とは違いシワに悩まされることもなく、普通に布として扱えるので『大黒門』は想像以上に扱いやすく、背景布スタンドにクリップで固定するだけなのでセッティングも難なくできますね。
布を広げた状態では、表面にわずかに起毛のような質感があり、皺のようなものが見えることもあります。しかし、ストロボの光を当てて撮影すると、その皺はほぼ消え、背景は真っ黒に沈み込みます。設置時の見た目と撮影結果が大きく異なるのは、この布の繊維構造と光の吸収特性によるものです
無反射布『大黒門』の価格と購入方法(公式リンクあり)
価格一覧(2025年11月時点)
- A4サイズ:税込1,320円+送料(Amazonで購入可能)
- m単位切り売り(幅900mm):税込6,600円〜
- 原反(22m):要問い合わせ
購入方法とリンク
購入は暗素研公式サイトまたはAmazonから可能です。
『大黒門』を使って撮影できるレンタルスペース(千葉・柏)
高価な背景布を試せる貴重な場所
『大黒門』は高価な布ですが、千葉県柏市の「レンタルSTUDIO杏」では、実際にこの布を使った撮影が可能です。購入前に試してみたい方や、黒背景でのポートレート撮影にこだわりたい方におすすめです。
スペースの詳細と予約方法
- スペース名:レンタルSTUDIO杏(千葉県柏市)
- 特徴:無反射布『大黒門』使用可能/ライティング機材あり
- スペースの詳細・予約はこちら
無反射布『大黒門』レビューのまとめ
撮影者目線で見たメリット
- 沈み込む黒
- 設置性の良さ
あくまで無反射としての背景布では最強の黒と言えるでしょう。とにかくソフトボックスをつかった柔らかい光は反射しません。
しかもお金さえ出せばポートレートで撮影できるだけの長さも購入できます。
ただ幅が90cmが基準になりポートレートでは足りないので2本購入するのがいいですね。今回の作例では幅90cmx300cmを2本並べて背景にしています。
注意点と向いていない用途
- 値段が高い
- 動画撮影には不向き(布の揺れ・質感の変化)
- 背景に模様やテクスチャを出したい場合には不向き
デメリットはとにかく布としてはお高いということ。今回のスタジオさんでも思い切って購入したと言ってました。
また布が反射しないので背景に色を付けたいとかいう要求にはこたえられなくなるのでほんとに背景を黒にして撮影したい場合に使いましょう。




