プロ機材で有名なNANLIGHTのFC-500Bをレビューしていきます。
LEDライトの光量ってストロボに比べて暗いものが多いですよね。
そんな場合は大光量のLEDライトに興味がある人も多いと思います。
かといって大光量のLEDビデオライトはえてして高価なものばかり。
そこへ500Wの大光量LEDビデオライトがNANLIGHTよりリーズナブルな値段で発売されました。
そんなFC-500Bをコスプレの撮影においてどのようなメリット、デメリットがあるのかレビューしていきます。
NANLIGHT FC-500Bの特徴とスペック
まずはFC-500Bのおもな特徴とスペックをご紹介します。
バイカラー対応で色温度の変更が可能(2700K–6500K)
最大出力520w
普通のストロボの最大光量を簡単に上回る明るさが特徴。
その出力とは裏腹に価格が安く重量も抑えられているという大光量LEDライトの入門機となるライトです。
同シリーズとして320wのFS-300Bがあります。また上位機種としてはForza-500Bがあります。
本体収納のケースがそのまま持ち運びできるような形状をしており、丈夫なスチロール製でケースが軽くなるような工夫がされてます。
FC-500Bのスペックはこちらです
サイズ | 373.2×246.4×149mm |
---|---|
本体重量 | 3.16kg(ライト本体)
2.24kg(電源アダプター) |
本体サイズ | 373.2×246.4×149mm |
出力 | 520W |
輝度(1m) | 本体のみ:21,110lux 付属リフレクター使用時:65,640lux |
CCT | 2700K-6500K |
CRI | 平均96 |
TLCI | 平均98 |
対応マウント | ボーエンズマウント |
調光範囲 | 0-100% |
制御方式 | 本体操作、2,4G、DMX/RDM |
特殊効果 | 12種類 |
FC-500BのBはバイカラーのBで色温度が変更できる機種になります。
※撮影時に色温度以外に色被りがありマゼンタやグリーンに補正が必要な場合がありますがFC-500BやFC-300Bには色被り補正の調整は本体ではできないので写真の現像時に行う必要があります。
FC-500Bの仕様
FC-500Bの外観・同梱品
では早速FC-500Bの外観や同梱品を見ていきましょう。
付属品 | 同梱数 |
---|---|
FC-500B本体 | ×1 |
電源アダプター | ×1 |
リフレクター | ×1 |
AC電源ケーブル 6M | ×1 |
DC電源ケーブル | ×1 |
キャリーケース | ×1 |
取扱説明書 | ×1 |
コントロール画面
背面にLCDディスプレイがあり、ここで輝度や色温度の調整などを行うことができます。
電源スイッチを入れるだけですぐに点灯してくれるのですぐに使えます。
ボタン長押しで電源を入れるような無駄な時間がありません。
操作もボリュームタイプのノブが2つとメニュー切り替えボタンがあるだけ。
左側のノブで明るさ、右のノブでケルビンを変更できます。
メニューボタンは設定変更など行えます。
ボタンの下部には電源コード用の端子もあります。
日本語の説明書が付属
説明書はしっかり日本語対応していますしちゃんとサポートが日本語でスムーズに受けられるのが良いですね。
ネットでもダウンロードできるのでいつでもマニュアルの確認が可能。
FC-500Bの側面
FC-500Bの右側面には角度調整ノブがあり、照明を真上に向けることも可能です。
このノブも軽く締めるだけでライトの向きをしっかり固定してくれるのが良いですね。
安いLEDビデオライトだとこの部分が傾きが変えにくかったり急に緩んでしまうものが多いのでFC-500Bはとても角度の調整がしやすいです。
底面には排熱ファン
かなり大きな本体の下面には大きな排熱用ファンの穴が開いています。
他には特にありません。
FC-500BとAD200proの大きさ比較
比較対象はコスプレカメラマンはたいてい使ったことのある200WのGODOX製のストロボです。
そんなGODOXのAD200Proを大きさを比較するとこんな感じです。
左から電源アダプター、FC-500B本体、GodoxAD200Proです。
これだけ大きいのですよね、AD200もずっしり感ありますが大きさでこの差です。
FC-500Bを購入検討している人はこの大きさを把握しておくことをお勧めします。
FC-500Bは本体3kg、アダプターが2kg、一方でGodoxのAD200は560g 程度です。
その差なんと役10倍。重いはずです。
FC-500Bの使い方
ここからは、FC-500Bの使い方を説明していきます。とっても簡単です。
ディフューザー取り付け
リフレクターやソフトボックスを取り付ける
本体にソフトボックスなどを付ける場合は本体をライトスタンドに取り付ける前に行うと作業しやすいと思います。
ライトスタンドをFC-500Bに取り付け
FC-500Bのライトスタンドへの取り付けはメス型なのでライトスタンド側にピゴットあることが前提になります。
ピゴットっていうのはこういう商品ですね。安いライトスタンドはたいていライトスタンド側に固定されているので気にしないことも多いですね。
本体、ソフトボックスの重さを考えると結構な重さに耐えられるライトスタンドが必要になります。最低限耐荷重5kgくらいはほしい。
ACアダプター、コードの取り付け
ACアダプターには丈夫な線がついているのでライトスタンドの下の方にぶら下げます。ACアダプター重さはこれだけで2kgあるのでできるだけライトスタンドの下の方にぶら下げることで重心を下げるようにします。
ACアダプターをぶら下げたら本体とACアダプター、ACアダプターとコンセントをつなげます。
コンセントもただ差し込むだけでなく簡単に抜けないようになっているので安心ですね。
本体での操作方法
輝度は、左側のノブを回して調整します。
色温度は、右側のノブを押してLCDディスプレイがハイライトされたらノブを回して調整します。
ノブは押すこともできてメニュー画面などの決定で使うことができます。
一度使用してしまえば特に問題なく使用できるくらい簡単な操作感ですね。
専用アプリでの操作方法
NANLIGHTの専用アプリを使用することでNANLIGHTの各製品をまとめてコントロールできるようになっています。
FC-500Bに関しては明るさと色温度だけのコントロールなので単純です。
色温度と明るさの組み合わせはプリセットとして保存できるので使用する場所によって設定を作成してもよいですね。
最初にシーンを作成してそれに使用する機材を登録するというアプリの使い方がなんかプロっぽいなと思いました。
FC-500Bが良くわかるおすすめ動画
FC-500Bのお気に入りポイント・メリット
まず、FC-500Bのお気に入りポイント・メリットをご紹介します。
- 明るい!明るすぎる
- ボーエンスマウント
- 色温度が変更できる
- 排熱ファンを停止できる
- 付属のバッグが使いやすい
明るい!明るすぎる
FC-500Bは最大520W相当の光量があります。
この520Wというのは明るすぎるくらい明るいです。パワーがあって人気のGodoxAD200ですら最大200Wです。
その2倍以上の明るさで定常光ですから間にソフトボックスを使わないととてもじゃないけど直視できません。
そのためよく太陽が作れるといいますが天井バウンスや壁バウンスを使うことで太陽光のような明るさの再現もできます。
ソフトボックスを使用しても最大光量だと距離によってはソフトボックスの面光源が明るすぎて被写体さんが目を開けていられないかもしれません。
ボーエンスマウント
ボーエンズマウントとは、イギリスのBowens社(安い中華メーカーの台頭により倒産)が開発したストロボアクセサリーの共通規格です。
共通規格なのでほとんどのサードパーティ製のソフトボックスなどはボーエンスマウントを採用しています。
そのためFC-500Bもボーエンスマウントが標準で使えるので今あるソフトボックスなどがそのまま使えます。
色温度が変更できる
FC-500Bは色温度の調整ができるので、夕焼けから昼間の陽の光まで幅広く表現することが可能です。
色温度2700Kー色温度6500K
2700K〜6500Kまで調整可能ですが、演色性も高く太陽光に近い発色できれいな写真が撮れます。
排熱ファンを停止できる
光量8%までという上限はありますが、排熱ファンを停止して使用することが可能です。
ライトのファンは4段階にて調整可能になっています。
完全にオフ、オンの場合以外にLOW設定ができ光量も50%まで設定できます。
LOWであればファンの音はライトとの距離もありますがそれほど気にならないですね。
写真撮影ではファンの音を気にすることってあまりないですが動画撮影で照明の排熱ファンのノイズを可能な限り収録したくない場合に重宝しますね。
付属のキャリングバッグが軽い
FC-500Bは、あらかじめ使いやすいキャリングバッグが付属しています。
見た目でわかりますがスチロール製で非常に軽くできています。
スチロール製といっても普通の発砲スチロールのように柔らかくもなく簡単に崩れるようなものではありません。
FC-500Bの残念ポイント・デメリット
ここからは、FC-500Bの残念ポイント・デメリットもご紹介します。
- 持ち歩きにはあまりに大きなケース
- ACアダプターが大きくて取り回しが少し不便
- ライトスタンドに強度も求められます
持ち歩きにはあまりに大きなケース
ケース自体はスチロール製で比較的軽いのですがさすがにライトやACアダプター、ケーブル、さらに折り畳みできないリフレクターが入るので大きい。
FC-500B付属のリフレクターはソフトボックスなどの使用をメインとする場合は使うことはほとんどないので別のケースが欲しくなります。
とくにコスプレ撮影などでスタジオにこのケースを持っていくとなると手持ちはかなり厳しいしキャリーが必須に感じます。
すべて車で移動できればいいんですけどね。
ACアダプターは本体並みに大きい
さすがにFC-500B付属のは500Wもの光を発光するライトになるのでアダプターもはんぱな大きさではないですね。
大きさを比較すると、FC-500Bライト本体並に大きいです。
さらにこの付属のACアダプターは結構大きいうえにかさばるので若干取り回ししづらいのが残念なところですね。
それなりに重いのでライトスタンドに吊るしておもりとして使えるという点はメリットなのかな?
ライトスタンドに強度も求められます
いくらライトが凄くても2kgを超える本体と大きなソフトボックスを使用するにはそれを十分さ支えられるだけのライトスタンドが必要。
もちろんセンチュリースタンドの方が安定感はありますが持ち歩きにはむかないですからね。
ここは通常の形状のライトスタンドを選びたいところ。
今回使用したライトスタンドはこちら。
一応重さに耐えられずしなったりするようなことはありません。
NANLIGTHのFC-500BとFC-300Bとの比較
FC-500Bとは別で、NanliteにはFC-300B という照明もあります。
500Wもいらないよという方には1つ下の300Wモデルはどうでしょうか?
ここではFC-500BとFC-300Bの違いを比べてみましょう。
モデル名 | FC-500B | FC-300B | Forza 500B II |
価格 | 115,500円 | 79,200円 | 242,000円 |
本体サイズ | 373.2×246.4×149mm | 360.3×246.4×134.8mm | 352x230x142mm |
本体重量 | 3.16kg | 2.6kg | 3.88kg |
輝度
付属リフレクター使用時 |
65,640lux | 37,340lux | 68,490lux |
色温度 | 2700K-6500K | 2700K-6500K | 2700K–6500K (G/M±80) |
CRI | 平均96 | 平均96 | 平均96 |
TLCI | 平均98 | 平均98 | 平均98 |
出力 | 520W | 350W | 580W |
特殊効果 | 12種類 | 12種類 | 12種類 |
アプリ操作 | ◯ | ◯ | 〇 |
FC-300BとFC-500Bには機能面での大きな違いはなく単純に明るさになります。
しかし使用時に必ず使用するアダプターサイズが違うので少しでもコンパクトにストロボ並みの大光量を必要とする場合はFC-300Bも選択肢になると思います。
NANLIGHTのFC-500Bと合わせて購入したほうがいいもの
FC-500Bの本体は3Kkgもあります。
そのためその本体にソフトボックスを付けたらさらに重くなります。ソフトボックスが大きければ重心も変わってきます。
そのためそれだけの重さと重心の変化を支えられるライトスタンドが必要になってきます。
そうなると重くて足の長いもしくは重心の変化につよいセンチュリースタンドなどが良いですね。しかし重くて持ち歩きはとても大変です。
そこで持ち歩きができる重さで足が長く重心の変化に強いライトスタンドとして以下を使用しています。
さらにFC-500Bは500Wという大容量のライトなのでその光量を使いつつさらに柔らかい光を被写体にあてたいですね。そこで自分が使用しているのが以下の深いソフトボックスです。
大光量のLEDビデオライトを使用する場合の注意点
大光量のLEDライトは定常光になるので被写体に向けると非常に明るく見えます。
ストロボと違い直接目に光が入るととても眩しく感じられるため開けていられないという問題がありあまり明るくできなかったりします。
結局光量を抑えてISOを上げて撮影するということになるので明るい定常光を使用する場合は注意が必要です。
まとめ
NANLIGHTのFC-500BはLEDライトとしては大光量ですし上位機種で同じく500WのForza 500Bに比べたらお値段は半額以下ととても魅力的なスタジオライトだと思います。
しかしコスプレカメラマンはスタジオに機材を持って撮影に行くことが多いのでFC-500Bのサイズはかなり大きく電車移動にはとにかく制約が発生しそうです。
またスタジオ内での移動も結構大変になるかと思います。
そのため一般的なコスプレカメラマンにとってはFC-500Bは大きすぎ、重すぎという感覚はどうしてもぬぐえません。
たしかに小型のLEDビデオライトは60Wくらいからありますが60Wではいまいち光量足りないということであればせいぜい100Wくらいに抑えておいた方が持ち運びには都合が良いのかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。